SDS:製品安全データシート

作成日:2019年12月26日

PDF版はこちら

1.製品及び会社情報

2.危険有害性の要約

GHS分類 物理化学的危険性:GHS分類に該当するデータなし
皮膚腐食性/刺激性:区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性:区分2B
特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分3(気道刺激性)

※人の健康に対する有害な影響性;ガラス長繊維は飛散したガラス繊維に触れると皮膚、眼、喉や鼻などに一時的にかゆみや痛みを引き起こすことがある。


GHSラベル要素

絵表示:該当なし
※ガラス長繊維は成形品のためGHSの適用範囲外。
注意喚起語:該当なし
危険有害性情報:該当なし
注意書き:該当なし

3.組成及び成分情報

(ガラス繊維クロス)

単一製品・混合物の区分 収束剤/結合剤を含む単一製品

一般名 : ガラス長繊維製品(Eガラス) ※別表1参照
主要原料・添加物 CAS No. 含有量(%)
主要原料:アルミノ硼けい酸ガラス 65997-17-3 > 98
付加物 :表面処理剤 - < 2

※ガラスは化審法における官報公示整理番号及びPRTR法・安衛法における政令番号に該当する化学物質ではない。

(表面処理材)

単一製品・混合物の区分 混合物

一般名 : アルミニウム箔 ※別表2参照
主要原料・添加物 CAS No. 含有量(%)
主要原料:アルミニウム 7429-90-5 100

(接着剤)

単一製品・混合物の区分 混合物

一般名 : 高機能ポリエチレンフィルム
主要原料・添加物 CAS No. 含有量(%)
主要原料:エチレン・メタクリル酸共重合物の
アイオノマー
28516-43-0
25608-26-8
非公開
添加物 :その他 非公開 非公開

4.応急措置

吸入した場合 : 空気の新鮮な場所に移し、呼吸のしやすい姿勢で休憩する。清浄な水で10回以上うがいする。軽く鼻をかむこと。鼻や喉にかゆみや痛みなどの異常が残るようであれば医師の診断、手当を受ける。
皮膚に付着した場合 : 絶対にこすらないこと。最初、多量の水で洗い、次に温水で石鹸を用い洗うこと。入浴はガラス繊維を除去する効果がある。汚染された衣服は直ちに脱ぎ、再使用する場合は洗濯を行う。皮膚にかゆみや痛みなどの異常が残るようであれば医師の診断、手当を受ける。
: 接着剤が高温時に溶融した状態で発生したガスの凝固物が付着した場合、大量の水を掛け十分に冷却させ、医師の診断を受ける。付着した凝固物を無理に剥がしてはならない。
眼に入った場合 : 絶対にこすらないこと。清浄な水で最低15分間、注意深く洗い流すこと。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合には外し、その後も洗浄を継続すること。もし眼の刺激が継続するようであれば医師の診断を受ける。
飲み込んだ場合 : 水で口の中を洗浄し、症状によっては医師の診断を受ける。

5.火災時の措置

適切な消化剤 : 消化器(粉末・泡沫・炭酸ガス)、防火砂、大量の水
火災時の特有の危険有害性 : 火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガス(アセトアルヒデド、CO、CO2など)を発生するおそれがある。
特定の消火方法 : 火元の燃焼源を断ち一般火災と同じ方法で消火する。
消火を行なう者の保護 : 呼吸用保護具を着用する。
消火を行なう者の特別な保護具及び予防措置
: 呼吸用保護具を着用する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項 : 鼻や口からの摂取、眼に入らないように留意する。
保護具及び緊急措置 : 特に保護具などは必要ない。
環境に対する注意事項 : 環境においては長期間分解せず、環境汚染の原因となるため、河川などに放出しない。海洋生物、鳥類が誤って食べることがあるので、いかなる海洋や水域にも投棄、放出をしてはならない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材
: 地面や床面に落ちた場合、足下を滑らせる危険があるので、速やかに 掃き集める。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱いや設備での注意 : 禁煙、周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。眼や皮膚に触れたりしないように必要に応じ手袋、保護眼鏡(ゴーグルタイプが望ましい)、粉じんマスク(国家検定品)を使用する。
保管上の注意 : 接着剤は指定可燃物(合成樹脂類)に該当するため、火気厳禁。雨水などがかからないように注意する。直射日光、白熱灯や水銀灯等高温や強い紫外線を出す照明の近くには保管しない。また保管場所は施錠して保管する。
概要 : 適切な取扱いを行なう限り、人体に悪影響を及ぼしたという報告は、これまでにない。
毒性 : 適用されず。
人体への影響 : アレルギー体質の方は、接触により皮膚障害を起す可能性あり。必要 に応じて、触れた箇所を石鹸にてよく洗浄する。症状によっては医師の診断を受ける。

8.ばく露防止及び保護措置

管理濃度 : 粉じん障害防止規則(3.0mg/m³)
許容濃度(日本産業衛生学会勧告値2017年度版)
: 2mg/m³(吸入性粉じん)、8mg/m³(総粉じん)
OSHA : 15mg/m³ TWA(total dust)、5mg/m³ TWA(respirable dust)
ACGIH : 1fiber/cm³ TWA(respirable fraction)
設備対策 : ガラス繊維の飛散がある為、作業環境によっては局所排気装置を設ける。
保護具 : 通常の作業服(長袖長ズボン)以外に防じんマスク(国家検定品)、手袋並び保護眼鏡(ゴーグルタイプが望ましい)を着用する。
皮膚及び体の保護具 : 帯電防止性能を有する長袖の作業衣、帽子、安全靴など。

9.物理的及び化学的性質

物理状態 : やわらかいシート状
: 銀色・白色
臭い : 無臭
融点 : 情報なし
沸点又は初留点及び沸点範囲 : 情報なし
可燃性 : 燃えない
引火点 : 引火しない
分解温度 : 情報なし
pH : 該当しない
溶解度 : 水に不溶
蒸気圧 : 情報なし
粒子特性 : 情報なし
比重(相対密度) : 約2.6 ; 塊状 (ガラス繊維)

10.安定性及び反応性

反応性 : 通常の取り扱いにおいては安定である。
化学的安定性 : 一般的な貯蔵・取扱いにおいては安定である。
危険有害反応可能性 : 一般的な貯蔵・取扱いにおいては安定である。
避けるべき条件 : 高温に曝されると、分解し可燃性ガスを発生する。
混触危険物質 : 火気に近づけない。
危険有害な分解生成物 : 燃焼時によりCO、CO2、NOX等の有害ガスが発生するおそれがある。

11.有害性情報

急性毒性 : 知見なし
皮膚腐食性/刺激性 : 区分2。職業ばく露で機械的刺激により、強い搔痒と刺激を生じた。これらの機械的刺激は一時的であり、5μm以上の繊維との関連がある。また職業ばく露で刺激性の皮膚炎も生じている。4-13μm径の長繊維(表面処理剤なし)を用いたヒト皮膚に対するパッチテストは異常と認められなかった。
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 : 区分2B。職業ばく露で機械的刺激性が認められている。この機械的刺激は一時的であり、5μm 以上の繊維との関連がある。 (ACGIH:2001)、(ATSDR:2004)
呼吸器感作性又は皮膚感作性 : 知見なし
生殖細胞変異原性 : 知見なし
発がん性 : LARC : 3 (接着剤)
生殖毒性 : 知見なし
特定標的臓器毒性(単回ばく露) : 区分3。(気道刺激性)。職業ばく露で一時的な気道刺激性が認められ ているが、ばく露がなくなると消失する。
特定標的臓器毒性(反復ばく露) : 分類できない。ガラス長繊維は吸入の可能性がなく、また労働者の疫学調査においても健康への有意な悪影響は認められていないとの情報がある。
誤えん有害性 : 知見なし

12.環境影響情報

生態毒性 : データなし
残留性・分解性 : データなし
生態蓄積性 : データなし
土壌中の移動性 : データなし
オゾン層への有害性 : データなし

13.廃棄上の注意

廃棄の方法 : 各自治体の条例に従って焼却などの処理を行なう。委託する場合は、許可を受けた廃棄物処理業者に委託する。

14.輸送上の注意

注意事項 : 転倒、落下、破損のないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行なう。水漏れ、高温放置、直射日光を避ける。
米国の道路・鉄道法令情報 : 該当しない
国際海上(IMDG) : 該当しない
国際航空(ICAO/IATA) : 該当しない

15.適用法令

ガラス繊維に対し危険有害性分類基準の対象法令に該当しないが、関係法令などには次のものがある。

1)労働安全衛生に関して

2)化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)に関して

ポリエチレンフィルムに対し、関係法令などには次のものがある。
1)消防法 :指定可燃物 (3000kg以上)
2)労働安全衛生法 :労働安全衛生法第57条の2の通知対象に該当しない
3)毒物及び劇物取締法 :該当しない
4)産業廃棄物 :廃棄物の処理及び清掃に関する法律

16.その他の情報

記載内容は現時点で入手できる資料、情報、データに基づいて作成していますが、含有量、物理化学的性質、危険・有害性などに関しては、いかなる保証をなすものでもありません。また、注意事項は通常の取扱いを対象としたものなので、特殊な取扱いの場合、用途・用法に適した安全対策を実施の上、ご利用下さい。




別表1 Eガラス組成
成分 E ガラス組成 /重量% CAS番号
SiO2 52-56 60676-86-0
Al2O3 12-16 1344-28-1
CaO 16-25 1305-78-8
MgO 0-6 1309-48-4
B2O3 5-10 1303-86-2
R2O(Na2O+K2O)
(Na2O)
(K2O)
0-2
-
-
-
1313-59-3
12136-45-7

注)上記の成分は、ガラスの分野における技術的慣習として酸化物の組成式として表記していますが、Eガラス中に調剤の成分として混合されているのではなく、ガラスを構成する酸化物が不規則に結合しあって形成された格子の中に化学結合する形で存在しています。従って、CAS番号及び官報公示整理番号は慣習表記した酸化物のものであり、ガラス中での各成分の状態を示すものではありません。


別表2 アルミニウム組成(規格値)
成分 アルミニウム組成(重量%) CAS番号
Cu 0.1以下 7440-50-8
Mn 0.05以下 7439-96-5
Mg 0.05以下 7439-95-4
Zn 0.05以下 7440-66-6
Al 99.3以上 7429-90-5

株式会社カツキワークス
Copyright (c) 2003, 2024 Katsuki Works Co.,ltd. All Right Reserved